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「分かった分かった、もう言わないから夕食たのむよ。」
そう軽い感じに言ったつもりなんだが。
「だめ! もう言わないのは……だめだから…………。」
言ってる内に恥ずかしくなったのか後半にはボソボソ呟く程度になっていた。
うん、やっぱり麗が彼女でよかった。
些細なことがここまで楽しいと思えるのは麗だけだからな。
「分かった、それなら毎日耳元で言ってやるよ。」
「それはそれで………恥ずかしい………でも……それいい。」
麗が危ない方向に行きそうだからやめておこうか…………。
「ん……ご飯作るから………待ってて。」
あぁなんか凄く上機嫌になってキッチンに行ってしまった………明日からが怖いな。
そして、自分が引き起こした悪循環に憂鬱になってること30分…………。
「ゆぅ……できたよ。」
そう言ってテーブルに調理された色鮮やかな料理が並べられていく……………。
これ、ちと大過ぎやしないか?
目の前には二人で食べるにはキツいほどに豪勢な料理が並べられている………。
「なんで、こんなにあるんだ?」
「今日は……引っ越しのお祝いだよ。」
それをもの凄い笑顔で言ってのける麗。
そうなんだな、今日から一緒なんだな………不安でたまらん…………。
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