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「で、どうなんだ?」
亮は自転車をこぎながら俺にそう聞いてくる。
「まだ覚えてやがったか、簡単に言うとケンカだな。」
そうだよ軽いケンカなんだよ。
違うような気もするけどいいか。
「夫婦喧嘩を学校に持ち込むなよ。」
まぁ、俺と亮はいつもこんな感じな訳だな、
言い方に若干の嫌みが含まれてはいるが気にしたら負けだ。
そして亮とグダグダしながら、しかもトロトロ学校に向かった…………。
着く頃には遅刻寸前だったのは仕方ないな。
そして亮と一緒に教室に入る。
そこには亮に向けられる黄色い視線と俺に向けられる刺すような視線………後はどす黒い視線が一つあった。
「なぁ麗、今日の朝飯うまかったぞ。」
うん、まぁ取り敢えず話しかけみる事にしたんだが。
「ん……ありが…………あっそ………もう話しかけないで。」
ん~作戦失敗か、いつもの感じで行けばごまかせる予定だったんだがな。
「分かった……もう二度と話しかけるのをやめるさ。」
「それは………そんなの………ない……よ……うっ……うぅ……やだよ……ゆ…ぅ……。」
あ、あれ?
泣いちゃってないか?
泣いちゃってるよな、ヤバいよな……もうボロボロになってるし………。
「いや、あれは冗談だって、な? だから泣かないでくれよ。」
もう俺は小さい子供をあやすように真剣に麗を宥める。
「ほん…と?………嫌いになってない?」
いやいや逆に涙がでそうになるじゃないか、まず嫌いになれる訳がないのはわかってるだろうに。
「当たり前だ……あと、その~あれだ…朝は悪かったな……。」
「あ、あれは………ゆぅが……えっちだから………むぅ。」
俺、菊池裕太は…えっちの称号をてにいれた!
嬉しくない……。
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