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「ん……もう置けない………。」
麗がそう言うのは俺とは違う意味で置けなくなっていた。
亮が苦笑いで撃沈……………。
結果的に亮が麗により完敗したと言うこと。
全ての色が麗の置く白になっていたからだ。
「麗、オセロ強いんだな。」
「ん?………これ……初めてやったよ?」
この子は何者だ?
あの亮をも凌ぐ実力を持っておきながら初めてだと!?
「亮、どんまいだな。」
俺がそう言ってやると、
「たかがオセロでも少しは痛いな。」
酷く落ち込んだ声でそう返してくる亮、オセロで負けてそんなに落ち込むなよな。
それから落ち込んだ亮と上機嫌な麗、そして普通な俺とで適当に時間を潰している間にも夕食の時間がきた。
俺と亮は時計を見て立ち上がり未だ動かない麗を呼ぶが…………。
なぜか涙目で何かを訴えてくる麗……………。
「泣きそうな顔してどうしたよ?」
「うぅ………足が……痺れて立てない…………ゆぅ、抱っこ!」
痺れて立てないのは分かるが、最後だげ元気に満ち溢れた感じじゃなかったか?
その麗はと言うと、涙目から一転してキラキラした視線を俺に向けている。
運ぶしかないんだな…………。
「分かったよ、よいしょっと。」
「ひゃう………く、くすぐったいよ…………。」
いちいち赤くならないでくれないかな。
後変な声も焦るから。
俺は照れるような恥ずかしいような気持ちのまま麗を抱き上げて部屋から食堂に移動した。
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