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それから同じようにウィンドショッピングを繰り返している内にも時間はなくなっていく。
そして最初のころに一度入った店に行きたいというので来たわけだが。
「また待機なんだな……亮は暇にならないのか?」
また待機と言われて店の外にあるベンチに座りながら亮と話している。
「暇かも知れないけど、2人が楽しそうだから気にならないな。」
おぉ亮は大人だね~、まぁそれもそうだな。
俺は楽しそうにしてる麗を見てるだけで楽しいからな。
もう麗依存症だな…………。
なんて事を思っていると店から出てくる麗と西井が目に入った。
「もう終わったのか?」
トタトタと小走りで来ては俺の目の前に止まった麗。
「うん……ゆぅ……これ。」
そう言って渡されたのは綺麗に包装された長方形の箱。
開けて見てと言われたので開けてみると。
そこにはゴールドとシルバーのブレスレットが一つずつ入っていた。
「これは………どうしたんだ?」
「前は……ゆぅに貰ったから……今度は……わたしから……これ……綾と選んだ………ゆぅに……似合うと思って色々探したけど、コレにした。」
え? てことはわざわざ俺を外で待たせたのは、コレを探すのを気付かれたくなかったから?
それを一瞬でも暇だとか思った俺って………………。
「麗、ありがとう。 2つあるってことは片方は麗のだよな。 付けてやるから腕かして。」
そしてそのままゴールドの方を麗の腕につけてやった。
俺はシルバーをもらい腕に通した。
「ホントにありがとな麗、凄く嬉しいよ。」
柄にも無いことを言ってるのは分かるけど、麗には悪い事をしたからな……一生懸命に探してくれたのに、それを暇と思ってしまったから。
少しは、素直に話してみるのもありだよな。
「う、うん……大事にしてね?」
いつもに増して照れる麗はいつにも増して可愛い。
「あぁ、大事にする。」
そう言って立ち上がる、自然と顔がほころぶのは麗が居るからだな。
なんて思いながら集合場所に向かって歩き出した。
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