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もうこれは恒例のことだけど、亮や麗が自己紹介をすると軽くざわめきが発生したりする。
そして自己紹介が全て終わる。
取り敢えず右斜め前の奴の名前が、
斎藤朱美(サイトウアケミ)
というのだけは分かった。
他のは殆ど覚えてない。
「九時半から始業式で体育館に集合だ、各自遅れないように。」
あのやる気のないオッサンは自己紹介もせず始業式の時刻と場所を告げてどっかに行った………………あの適当さ加減は逆にスッキリしたよ。
そしてこれまた恒例のカッコイい、可愛い人への質問タイムが始まる。
もちろん亮と麗は言うまでもなく、西井や斎藤朱美までもがそれに絡まれていた。
まぁ、俺には誰一人寄ってこないが。
九時半まで後30分、俺は寝るという選択肢を選び、それに徹するべく腕をまくら変わりに机に突っ伏した。
その頃絡まれている亮や麗はと言うと。
「悪いけど俺には綾が居るんでな。」
亮は恥も気にせずそう言うと綾を近くに寄せて綾の肩に手を置いていた。
綾は言うまでもなく恥ずかしさのあまり顔が凄く紅い。
そして麗は………………。
いろんな質問を投げ掛けられているにも関わらず全スルーをかましていた。
「うるさすぎて寝れん………………。」
まったく人気者は忙しいな。
ん? 麗がじっとこっちを見てるけど、どした?
「………ゆぅ。」
そう言って周りの声も気にせず俺の前に立ち……………ゆっくり倒れ込んで来た…………いや抱きついてきた。
周りの奴ら唖然……ついでに俺も唖然……………。
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