キャンプだよいろいろと

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そして麗の頭を優しく撫でてやる。 「はぅ………うゅ…………。」 頭を撫でてやると目を細めて気持ちよさそうにしている。 触れている俺もかなり癒される位に麗の髪はサラサラで気持ちよかった。 背中位まである長い栗色の髪にスレンダーな体系、そして完璧に整った容姿………やっぱり俺には釣り合わないな。 「でも……麗は俺だけのものだからな。」 そう言ってしまったままに麗をそっと抱き締めた。 そのときピクッと麗が反応をしていたが気にせず抱き締めた。 釣り竿………川に落ちちまったな、まぁいいけど。 「………ゆぅ?」 麗が心配そうに顔を伺ってくる。 「釣り合ってなくても、麗は誰にもやらないって思ってな。」 あまりに心配そうにするもんだから思った事を言ったんだが。 「釣り合ってないことなんて……ないよ………それに……ゆぅは……わたしだけのものだから………。」 顔を真っ赤にさせてまでそんな恥ずかしい事を言ってのける麗。 ホント………俺には釣り合ってないな………だってコイツ優しすぎるんだよ。 でも俺たちはこれでいい、こうしてずっと居れればいいんだ。 「そうだな、俺は麗だけのものだ、だから……泣かないでくれよ…麗………。」 麗は静かに涙を流して俺を見つめていた。 それを……俺は抱きしめてやることしか出来なかった。
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