11993人が本棚に入れています
本棚に追加
あの男、翔国国王 翔飛龍。
王自らが戦場第一線に出て敵を切る。
それ故に頭から血を浴び、“赤い王”との異名を持つ―――…
飛龍はゆっくりと堂国王族の一同を見回すと、静かに口を開いた。
「私はあなたたちを処刑するつもりはない。望めば堂国に帰ってもよい。…好きにするとよい…」
ざわめきだす広間。
王族の目に希望の光が宿る。
「将軍、彼らをきちんとした部屋に通せ」
臣下に命じる飛龍を、清蘭はジッと見つめていた。
目をはなせずにいた。
“殺してやる…父上の仇…”
最初のコメントを投稿しよう!