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「宝清蘭…評判は翔まで届いている…」
清蘭は口をへの字に閉じ、キッと飛龍を睨む。
そんな清蘭に飛龍はクスリと笑いかける。
「残念ながら君は堂国に帰せない」
「なっ…!?」
思わず身体を浮かせるが、手を後ろで縛られているのでバランスを崩し、倒れかけた。
それを飛龍が支え、清蘭を抱き寄せる。
「っや…」
抵抗するも、小柄で華奢な清蘭が大の青年の飛龍にかなうはずがない。
「君が行くのは私の閨だ…」
飛龍の冷たい声に、鼓動が止まる。
身体中が冷えて、動けなくなる。
“…そんな…っ!!”
飛龍の体温を感じながら、清蘭は意識を手放した―――…
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