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あたし達が初めて出会ったあの日から、もう幾月が経ったのか。
あの夏の日、あたし達は出会った。
アパートの一室で過ごした、暖かく、ゆるやかで、穏やかで、とっても奇妙な時間。
初めて会ったばかりなのに、惹かれる思いは止めることができない。
部屋を飛び出した雨の中、彼の腕の温もりだけが身体に残った。
降り頻(しき)る雨に紛れたあたしを、見つけ出してくれた。
あの日のあの奇妙な時間を、あたしは生涯忘れたりしないだろう。
あたしの存在する意味があるなら、それはあなたの存在があるからで。
あなたを選ばない日が来るならば、それはあたしが終わりを迎える日だから。
だから、こんなにも愛しい。
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