偶然を必然と呼ぶ勇気

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 『死ぬ タスケテ』  そんな不可解なメールが届いたのは、どうやら講義中のことらしい。  講義中はマナーモードどころか電源を落としていた為、講義も終わり帰宅しようと考えていた今、この奇妙なメールの存在に気付くことになった。 「……いっぺん死ね」  送信者の名前を確認し、思わず呟く。 「なーに物騒なこと言ってんのよ」  声をかけてきたのは西村礼子。  彼女とはこの大学に入ってから知り合った。  殆ど同じ授業をとっていたために必然的に仲良くなったが、当初はこの身長の高さと容姿、堂々たる態度に次元の違いを感じていたわけなのだが。
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