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「シノからSOSメール。またあたしをパシリにしようなんて考えてるみたい。ほら」
そう言って礼子にメールを見せると、あらま、とわざとらしく右手を口許にやって笑った。
「砂知はお人好しな所があるからねえ。文句言いながらも、なんだかんだ面倒見ちゃうんだから」
「だって、困ってる人間がいることを知っていて、無下になんかできないでしょ?」
無視するなんてできないよと足せば、礼子はふぅとため息を吐く。
「そのヒトが本当に困ってる人間なら良いんだけどね」
礼子は諦めたように一度肩を竦(すく)めると、キラキラのラインストーンが施された爪を気にしながら、くるくるに巻かれた髪をいじった。
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