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クラスの中でも、一、二を争う騒がしさの井田は、毎日懲りずに有坂に纏わり付く。 女は好きじゃないが、毛嫌いするわけじゃない。どちらかというと、増せたガキ(男子)よりは扱いやすい。 「生憎、俺は、経験者のスノボ組でな……井田はスキーのほうだろ?」 「え~つま~んない。私もスノボがいい~」 「……お願いだから余計な仕事増やさんでくれ」 そう抗議すると、井田は膨れた。 「はいはい……井田ちゃんそこまでぇ。つーことは有坂ちゃん、俺に教えてくれるってことぉ?」 いきなり割り込んで来た夏木を少し睨んでやる。 だが、当人は気づいてすらいない様子だ。 「俺は、監視役。ちゃんとインストラクターの美人の先生がいる……夏木の大好きな、な?」 皮肉を込めて言い放つと、半分しか食べていない朝食を残して立ち上がった。 「え~、有坂ちゃん下手なんだ」 挑発的に言うが、敢えて無視してやった。
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