ホット缶コーヒーの奇跡

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また、学習面西側施設とは裏腹に、東側施設は部活動体育館や、今現在の目的地の食堂など、それら“運動及び生活的施設”が揃っている。 自働販売機でのやや高価でより効果的な水分補給も、食堂と体育館が近ければ、高校側も儲かるって考えなんだろう。 生徒達もそれらのことはある程度は理解しているらしく、そんなことも踏まえて、自働販売機にはたびたびお世話になっている仕様だ。 これでだいたいの話は繋がっただろうか。 今歩みを進めているこの渡り廊下は、そんな『西側施設』と『東側施設』を繋ぐ重要なものである、と、説明しなくとも分かっていただけたであろう。 形で表せば『H』の形をした校舎の造り。そして、今の俺はその横棒部分にいる。 昼休みということでマイHRから移動した俺は、この横棒に当たる渡り廊下を通じて、食堂へと向かっているというわけだ。 財布を今着ている学生服内ポケットへと再び忍び込ませ、ただ今渡り廊下を渡りきりました、と。 俺の目に映るのは、人で溢れかえった食堂内部だけである。 少しくらいは列に並んでもいいかな。昼休みだ、まだまだ時間はあるさ。  
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