ホット缶コーヒーの奇跡

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  彼女を追う俺は、いつのまにか駐車場に来ていることに気付いた。 どうやら東棟裏は職員及び食堂のおばちゃん専用の駐車場になっているらしい。 眠り姫はこんなところに何をしに来たのか……もちろん俺には分からず、そのままの足でなおも進んでいるところだ。 そして更に、いつのまにか彼女の姿は俺の視界からさらりと消えてしまい、俺一人がここに置き去りにされちまった感が否めずにいる。 とりあえず立ち止まっている意味もない。車種の違ういろいろな車を目に映しながら、俺は駐車場の奥へと進んでおく。 視界に入るのは、車と東棟の陰と、頭上に生えた木々からこぼれる日の光。 ……そういえば、俺、昼飯どうしよう。 こんなところに来ちまっても昼飯にはありつけないし、そもそもここにいる必要もない。 彼女を追ってきたこの体も、彼女が見えなければ意味がない。……食堂に戻るか。 下を見ていた首を上げ、振り返り引き返そうとしたそのとき一一 「何故?」 「のぅわっとぉ!」 誰かの声がした。  
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