3092人が本棚に入れています
本棚に追加
どこか幼さの残る顔立ち。
かと言っても、それは寝顔だけであって、それなりの“無邪気な大人さ”はオーラ的なものとして醸し出している。
そしてなにより色白である。低血圧だからかどうかは俺は知らないが、そのせいで寝ているんだったら納得がいく。
後ろ一本に纏められているその長く整ったポニーテールを見つめながら、俺はふと思った。
こいつ……何気に茶髪がかってるなぁ。元からなのか、それとも染めているのか。
もちろん俺はその答えを知らない。
机にべたーっと張り付いて、いかにも夢の中万歳むにゃむにゃとしている彼女。
この学校特有の女子登校服、まぁ簡単に言えば極深緑ベースのブレザーが変にズレていても、はたまた裾がめくれあがっていても、彼女は気にしていないご様子だ。
勝手に解釈してしまえば、寝ている間は身なり服装は気にしないらしい。
まぁ、見ている限りでは、そこらへんが彼女らしさとでも言ったべきだろうか。
俺としては、見ているだけで目の保養になる存在として受け取っている。
ふぅ、授業終了のチャイムはまだなのかね。いっそのこと俺も彼女のように眠ってしまいたいな。
春のこの陽気が、更に俺の心を和ませてくれたような気がした。
最初のコメントを投稿しよう!