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私の居心地の悪さといったら半端ない。
碓氷さんに憧れてる女子社員が多い事は周知の事実で、その噂話には妬みや、私に対する蔑みなんかもたっぷり含まれているからタチが悪い。
ランチのお誘いが来る様になってはや一ヶ月。
何かにつけて理由をつけては断っているものの、諦めを知らない彼の誘いは止む事がなくて。
こうして今日も私は窮地に立たされる。
解ってるんだ。誘いを断ったからって私への妬みや蔑みが消えない事。
消える所か苛立ちを増し、一段と増幅する事。
「冴えない女が調子こいてんじゃねぇよ」
今にも聞こえてきそうな声に耳を塞ぎたくなる。
それはジワジワと私を追い詰めていて、黒い塊となって覆いかぶさるのを今か今かと待っている。
毎日の様に来ていた合コンへの半強制参加の誘いが、嘘みたいにパタリと止んだ事じゃない。
話し掛けても、まるで存在しないかの様に無視される。
私の存在が無いものにされる。
これならまだ何か嫌がらせされる方がマシだ。
それは私が存在していて、意識の中に居るからこそ起こる。
でも社会では―
この社内ではそれさえ許されなかった。
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