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背筋をピンと伸ばし、何の躊躇いもなくそう言って退けた三國さんは凄く頼もしくて。
今まで二番手なんて思っていた事に酷く後悔した。
なんて立派な人なんだろう。
素直にそう思えた自分に驚く。
三國さんの言った‘アイツ’は私にも影響力が強くて、自分でさえ冷めた人間だと思っていた私も少しずつ人間に近くなっている事に気付く。
まだまだ私は卵からかえったばかりだけど、この先どう変わって行くのか―
そう考えて頭を振った。
―長年この性格で生きて来たんだ。それがこの前まともに喋り始めた人間に、これ以上変えられる訳がない。
言うだけ言った後、踵を返し、オフィスへと戻って行った三國さんを追い掛ける様に走り出した。
三日後―
「本日よりお世話になります、箕輪太一(みわたいち)です!」
「同じく、中塚美園(なかつかみその)ですっ!」
「「宜しくお願いしますっ!!」」
揃って頭を深々と下げるニューフェイス二人に、パチパチと拍手が送られる。
「じゃあ、箕輪君、中塚さん、こっち来て」
「「はいっ!」」
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