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新人達に座ったまま手招きする課長の横に立って、新人ならではの緊張の入り混じった大きな返事に、思わず小さな苦笑いを漏らす。
「今日から君達の世話係になる三國君と松嶋さん」
課長に紹介され、頷きもせず前を見据える三國さんをチラッと見てから、笑顔を作って手を差し出す。
「松嶋です。これから宜しくね」
「「よ、宜しくお願いしますっっ!!」」
ガチガチな為、同じ様に噛む二人に笑いを噛み殺す。
「緊張し過ぎだよ」
「すいません!」
うっすら苦笑いを浮かべると、真っ赤になって俯いた中塚さんの分も箕輪君が謝る。
「この二人は仕事も出来るから、盗めるもんはしっかり盗んで、それを更に向上させる。バンバンいい企画するのよ。期待してるからね、新人君」
そう言って課長は二人の間を通り、すれ違い様にポンと肩に手を置いてオフィスから出て行った。
あーぁ、課長に期待してる、なんて言われたら縮こまっちゃうよね。
中塚さんなんてちょっと涙目になっちゃってるし。
…にしたって緊張し過ぎだけど。苦笑
少し呆れの混じった苦笑いを浮かべていると、三國さんが一歩前に出た。
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