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私の浮かべる愛想笑いに、にっこり微笑んで
「松嶋さんですよね?こんな綺麗な方に色々教えて頂けるなんて、光栄です」
そう言う彼女の笑顔はキラキラと眩しくて。
やっぱりさっきのは何かの聞き間違いだったんだと思っていた。
何日か過ぎた昼休み。
もう毎日の日課になりつつある、碓氷さんとの二人ランチ。
そりゃ二人でばっかランチ行ってれば、噂だってたつよね。
今まで碓氷さんが私をランチに誘うのを、周りはずっと黙って見てた訳じゃない。
何度か
「私達も一緒にいいですか?」
と女子社員が碓氷さんに群がった事もあるし、中には私を使う人もいた。
普段私の存在さえ無いものとしてる人間が馴れ馴れしく腕を絡めて来て、
「あやに誘われて…どうしてもって」
なんて困惑気味に言葉を吐き出した時には、流石の私も絶句するしかなかった。
それでも碓氷さんの答えはいつも変わる事がなかった。
「御免。俺はあやチャンと二人で行きたいんだよね♪」
一切ブレないその答えには、平気な顔をして嘘をつく人間も頷くしかないらしい。
渋々散っていくのを見るのは、少しだけ清々した。
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