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ジーパンのポケットに指先だけを突っ込み、目の前に立ちはだかった男からは言葉には表せないオーラが放たれていて、私は目が離せなくなる。
見た事もない様な端正な顔立ちは見間違うスペースも与えず、私を見下ろす。
「……あの、何か……?」
ジッとこっちを見つめたまま、何も喋ろうとしない男に焦れて自分から話し掛けたものの、すぐに後悔する。
何か私に言いたい事があるんじゃないの…?綺麗な顔してるけど危ない人かも。
ここは…逃げるしかないっ!
鞄と袋をそっと握り、立ち上がって逃げる隙を伺っているとやっとの事で男が口を開いた。
「…こんばんはっ!いやあまりにお姉さんが綺麗だから見とれちゃってた☆一人で何してんの?やけ酒?寂しくない??」
私のすぐ隣に躊躇いもなくストンと腰を降ろし、重い口を開いたかと思えば、次々と浴びせられる失礼な質問達に呆然としていた私は顔を歪ます。
「……はぁ?何なの、あんた」
一瞬にして怪訝な表情へと変えた私に、男は気にする事なくすぐ隣へ座り込んだ。
「御免、御免。だってそれ、どうせビールとかチューハイでしょ?」
そう言う男は私の掴んだコンビニの袋を指差した。
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