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知りたいのに、怖くて聞けないよ。
今のこの心地好い関係が崩れるんじゃないかって怯えてる。
臆病な私じゃ駄目ですか?
ずっと…側に居たいと思うのは私だけなのかな。
映画館の中でも手を繋いだままだった。当然の様に内容なんて頭に入って来なかった私は、映画館を出て見たものについて語る碓氷さんに曖昧な相槌をうつ。
私のそんな態度は体調が悪いからだと思われてるのか、追求してこない。
その後カフェに入りお茶をした後、碓氷さんが家まで送ってくれる事になった。
「…大丈夫?本当に御免ね。俺野球馬鹿だからやりだすと周り見えなくなっちゃって。あやチャンにはとんだ災難だったよね…申し訳ないっ!」
深々と頭を下げる姿に悪いと思いながらも思わず吹き出してしまった。
そんな私を訳が解らないと言う顔で見上げて来るから、余計ツボにハマった私はクスクス笑いが止まらなくなる。
「そんなに気にしないで下さい。体調なら全然問題ないし、むしろあれぐらいで悪くなるなんて私の管理が行き届いてないせいですから」
笑いを漏らしながら何とか言いきった私を見て、碓氷さんはポリポリと頭を掻いた。
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