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「…でも…」
「そんなに謝られるとこっちが萎縮しちゃう」
口に手を添え、苦笑いを浮かべると
「うっ…御免…」
私から視線を逸らしながらまた謝る。
「あははっ。また謝ってるし。これいつまで続くんですかね?」
耐え切れなくなって私が再びクスクス笑い始めると、彼はハニかんだ。
「そうだよね…いい加減しつこいか!」
にっこり笑う彼につられて笑うと、彼がムードメーカーなのは宿命なんだなんて馬鹿らしい事に妙に納得した。
くだらない事を話しながら歩いてるとすぐに私の家に着く。
「今日は有り難うございました。楽しかったです…」
アパートの階段を一段上り、振り返った私は碓氷さんの真剣な眼差しを一身に受けて動けなくなった。
そんな私にゆっくりと近付く。
顔と顔の距離が数10cmの所で止まる。
「あやチャン…」
「…はい」
「…キスしてもいいですか?」
「………はい…」
返事が終わると私の唇に彼の唇がそっと重なる。
優しくて、力強い、碓氷さんらしいキスに私は夢中になっていく。
私の肩に彼の腕が伸びて来て抱きしめられると、私も自然に腰に手を回した。
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