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今、目の前にいるのは
傷だらけで刀をかまえている君。
そして
君に銃を向けている 俺。
「……降伏、してくれないか?」
「…お断りします。
私は国民の命を預かっています。
負けを認めることなど、できません」
ああ、どうして。
こんな事になってしまったのだろう。
「君はよく戦ったよ。
それに、もう君はボロボロじゃないか…
そんな体で、これ以上戦えると思うのかい?」
「私は、最後まで
諦めるワケにはいかないんです」
わからないのか?
君にはもう勝ち目はないんだ。
俺が引き金をひいたら、
もう終わり。
俺は、
日本…君を殺したくないんだ。
「アメリカさん。
戦争に情を持ち込んでは
いけませんよ」
俺をまっすぐ見つめる
漆黒の瞳に呑まれそうになる。
「戦争とは、非情でなければいけません。
そうでないと、
何事も成されませんよ?」
諭すように
言葉を紡いでゆく。
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