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銃を持つ手が震える。
いや、だ。
殺したくない。
だって
君はずっと俺の隣にいなきゃダメなんだぞ?
俺の隣で笑ってなきゃダメなんだ。
「それに…」
君の瞳が、
俺を捕らえて逃さない。
「貴方に殺されるなんて…
一番、幸せな死に方じゃないですか」
君が笑う。
初めて会ったあの時と
同じ様に。
刀を落とし、
俺に向かって両手をのばす。
到底、届く距離ではないけれど。
君は俺を愛おしそうに見、
微笑んだ。
「…ずっと、
お慕い申し上げております。
....
アメリカさん……」
――パァン…ッ
桜は散り際が、美しい。
君という花の散り際も、
それはそれは
美しかった。
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