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玄関まで鞄を肩に掛けて歩く。
今年の夏は今まで以上に暑くなり猛暑が続くらしい。
元々アスファルトだらけで、日の光を照り返すこの街では春一が汗をかかずに歩ける可能性は0に等しい。
というか、ほとんどのひとにとってそれは無理だろう。
もちろん風の能力者や、氷の能力者、水の能力はいるのだが。
能力といっても千差万別。人の数だけあるといっても過言ではない。
自然属性能力者【エレメンタラー】
にも風、氷、炎、地、水、雷。
無属性にも、念動力使い【テレキネシス】や瞬間移動使い【テレポーター】肉体物質変化能力【トランス】
など多種にわたる。
さらに能力の中で大きさ、ランキングにするともはや膨大な情報になる。
ドアノブに手をかけようとして、春一は一度手をひっこめる。
(そうだ……休もう!)
いやいや、負けるな俺!
情けないぞ非常に。
外に出る覚悟を決め、再びドアノブに手を伸ばす。
勢いよく扉を開けて、きっと素敵な1日が待っているであろう地面を踏みしめ太陽を浴びた。
やっぱりというかなんというか、夏の暑さに目が眩む。
春一は寮のマンション、それも5階に住んでいる為に暑さが上ってくるような感じさえする。
「行くか……………………」
憂鬱な気分になりながら、階段を下りてアスファルト地獄へ足を延ばしていく。
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