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んーんーんー。
なんなんだろう、この虚無感。
「あ、」
そっか、わかった。
ぴっぴとぼたんを押して、ぷるるとなるけーたい。
『もしもし』
でんわごしの、きくちの声。
「いますぐきて」
『は、なん』
ぶちってきっちゃった。
「ふはっ」
きくちさまに怒られるなー。
まあ、いっか。
『ピンポーン』
あ、きた。
はやいなぁー…なんて思いながら、がちゃりと鍵をあけると。
「…おい、なんなんだよ」
ちょっと膨れっ面のきくちさま。
とりあえず、どうぞと家のなかにいれる。
「こころが、からっぽだったから」
…ははっ!きくち、汗かいてる。
いそいできてくれたんだなぁ。
「からっぽ?」
「うん。でも、なおった」
だからいーや、なんて言ったらきくちは怒るだろうな。
「…じゃあ、俺、帰るわ」
あれ?なんだか胸がぎゅーって、くるしい。
「…そんな顔すんなって」
ちゅ、と鼻に、ちゅーを、
「は、へ、?」
「まだいるよ」
あ、くるしいのなくなった。
「…ありがと」
「…おう」
……ところで、
「なんで口じゃなかったの?」
「ばっ、…っ、もう帰る!!」
(嘘です!嘘です!行かないで!)
えんど
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