俺らならきっと 地位門

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Side 白井 「なぁ、」 「んー」 うーあー。びっしょびしょ。 「何で外で待ってたんだ?」 「……なんとなく」 「鉄也!」 「なに」 「…泣いた?」 自分のが泣きそうだったくせに、自分のことは鈍感なくせに、なんで、僕のことには敏感なのさ…。 「ごめん、俺がもっと早く気づけば…」 ねぇ菊地様、そうやっていつも守ってくれてるけど、菊地だって、そんなに強くないでしょ。 「菊地も…」 「は、?」 「菊地様も、泣いたでしょ」 「…俺は、べつ、に、」 「菊地様にだって、支えが必要だよ」 ほら、と両手を広げると 倒れ込むように、僕の胸に菊地様が。 「てつや」 「なぁに?」 「寒い」 「そりゃあ、二人ともずぶ濡れだったからね」 「……鉄也、」 「なに?」 「楽しもうな、俺らの」 「漫才を?」 「…おう」 さっきまで寒かった体が、菊地様といると、なんだかぽかぽか。 「鉄也みたいな支えだったら、すぐ曲がりそうだけどな」 「曲がったら、菊地様が支えるんだから」 お互い支え合えば問題ないでしょ。 そしたらきっと大丈夫。 (だから後は、楽しみましょう!) えんど
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