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「サシャ・サンドリオン君」とその男が言った。「急に呼び出したりして悪かったな。何分こちらも急だったもので」
何が急だ。勿体振りやがって。と俺は心の中で毒づく。さっさと告知すれば良いんだよクソったれ。
だがそんな事は口に出さない。表情にも。そんな事をすれば話がさらに延びるであろう事は目に見えていたから。
「はぁ……そうですか。今までお世話になりました」
俺は軽く頭を下げながら言った。休暇の礼だ。別れの挨拶くらいはしてやる。
「うむ……私としてはもう少し此処で演習訓練を積んでもらいたかったんだがな……事情がそれを許さなかったんだ」
まぁ、そうだろう。誰だって今後役に立つ見込がないと解っているモノに金を注ぎ込みたくはない。
「ははは……勘弁してください。これ以上実戦から離れたら勘が鈍ってしまいますよ」
当たり前だが、此処にいた三ヶ月間は自分のノーマルＡＣに触れていない。操縦方法は身体に染み付いているが、やはり実戦の空気を忘れると勘が鈍ってしまう。
「ん？……ああ、君は元レイヴンだったね。うむ……その気持ちは解る。私もリンクスになる前はレイヴンでね、ノーマルとネクストでは、まぁ操作方法はまるで違うが、やはり実戦で培った経験や勘は役立ったよ。お陰で今もこうして生きている」
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