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「ライトアーム、047ANNR、レフトアーム、047ANSR、ライトバック、RC01-PHACT、レフトバック、PM-O901、ショルダー、NEMAHA01、フルストップ」
俺は次々と武装の形式番号を音声入力していった。その入力に連動して、自動でフェンリルに武装が装着されていく。
右手にライフル、左手にスナイパーライフル、右背にレールキャノン、左背にPMミサイル、そして肩の連動ミサイル。
武装が完了したネクスト『フェンリル』は威圧的な存在感を放っていた。
<ハティ、完了したか?>
パラベラムの声がフルフェイスヘルメット内に反響する。
<完了したなら早く輸送機に載ってくれ>
了解と言って俺は、フェンリルの視覚と自分の視覚を同調させた。IRSが自動で情報を最適化する。
フェンリルのメインカメラが捕らえた映像が脳内に反映される。ハンガーが狭く感じる。まるで自分が巨人になったかのような感覚。しかしそれは事実で、今の俺の感覚はフェンリルから反映されたものだった。両手にはライフルを握る感覚があり、背中には重みを感じる。
俺はブーストを使わず、徒歩で輸送機まで向かった。全長一○メートルを超えるACネクストを格納する輸送機は、まるで巨大な怪鳥のようだった。
輸送機に搭乗した俺は、フェンリルの武器を専用ハンガーに固定し、フェンリルもACハンガーに固定する。今から武装の最終チェックが始まるのだ。
整備士は全部で十名いた。何れもかなり若い。些か頼りない気もしたが、彼等に任せるより他に無かった。
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