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相手も漸くネクストの侵入に気付いたのか、それとも防衛機構が働いただけなのか、無人型の陸上兵器が次々と格納庫から発進していた。だが、所詮は通常兵器。ネクストに対抗できるわけもなく、俺はフェンリルの右手に装備しているライフルを使い一撃で葬っていく。通常兵器とACネクストとでは、決定的に火力が違い過ぎるのだ。
俺はすかさず左背部のPMミサイルと肩部の連動ミサイルを展開させる。狙いは格納庫。ロック完了と共に一斉射。ミサイルは瞬く間に格納庫に吸い込まれていく。そして爆発。だがまた直ぐに別の格納庫から無人兵器が出撃している。
「一介のテロリストにしては大した物量だな」
俺は訝しんだ。何かしらの資金源が無ければこれだけの兵器を揃える事は不可能だ。それに、未だノーマルACが出撃していない事も気に掛かかる。
<全くだ>とパラベラムが答えた。<ヴァルプルギスの夜……か。確かに、なかなかどうしてきな臭いな。だがまぁ、下手に詮索はすべきでは無いよ。今は依頼主の言う通り敵の撃破に専念してくれ。初っ端からお上に目を付けらちゃあ、後々が厄介だからな>
「……そんなものかな?」
まぁ、確かに余計な詮索は身を滅ぼすわな。俺は一通り納得していた。聞き返すのはいつものやり取りだった。
<そんなものさ。おっ、やっとノーマル部隊のご登場か。数は一二機。おそらくアルドラのノーマルACだと思われる。この高度からではそれ以上は解らん。ま、頑張ってくれよ>
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