1st mission ~Walpurgis Night~

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 俺はフェンリルのレールキャノンを収納し、地上に着地した。そして右手に握られたライフルを構え、目の前に迫る二機の通常型ノーマルの内の一体に勢い良く突き立てる。銃口がその胸部に減り込む。そして引き金を引く直前、そのノーマルから通信が入った。 「つ、強いな……あんた。悔いは無い……後は……頼んだぜ」  俺は解った、と言った。いや、解ったとしか言いようが無かった。そしてそのまま引き金を引き絞る。  ドン、という鈍い反響音の後、そのノーマルは永遠に沈黙した。残りは八機……いや、七機だ。  俺は沈黙したノーマルを見据えながら、スナイパーライフルを左水平に構え、既に引き金を引いている。その弾丸は、レーザーブレードで勇猛果敢にもこちらに迫り来る、通常型ノーマルの胸部のやや右上部を撃ち抜いていた。その場に崩れ落ちるノーマル。だが、急所は外れている。 「……とどめが……欲しいか……?」  俺はそのノーマルにライフルの照準を合わせながら言った。  ノーマルのレイヴンは、何も言わなかった。いや、言えなかったのかもしれない。だが、微かにだが頷く気配が確かにあった。俺はそれ以上は何も言わず、ライフルの引き金を引いた。  通常型が残り一機、ミサイラーが一機減り二機、スナイパーは変わらず三機、そして電子戦型。一通り危機は脱したが、まだまだ気が抜けないのには変わらない。俺はパラベラムから送られてくる戦闘情報を吟味し、最善の策を思考する。
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