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彼の死を知ったのは、俺がリンクスになった直後の事だった。
その日俺は、三ヶ月の間世話になったリンクス養成施設の宿舎を出る為に荷物を纏めていた。
この養成施設での全行程を終えた俺の最終評価は『C-』。所謂、粗製というヤツだ。戦時下やカラード所属のリンクスが不足している等の急を要する事態でも無い限り、この評価での採用は“ほぼ”見送られる事になる。企業連も才能の無い者を雇う程愚かでは無いという事だ。
今は戦時下では無いし、それにリンクスの数も足りていた。だから俺は(正式な発表があるまで解らないが)確実に不採用になる。だからこうして荷支度をしていわけだ。
俺は別段リンクスになりたかったわけでは無かったので、僅かな望みに全てを託すなどという事はしなかった。いや、寧ろこの評価で清々する。
今までレイヴンとして生きて来た俺にとって、リンクスとは憎悪すべき対象であって、決して憧れの存在では無かったのだから。
今まで死んでいった戦友を忘れた事は無い。俺の命は彼等によって生かされている。そして俺もいつかきっと、最後には仲間を生かす為に命を捧げるだろう。
だがそれでも、少しばかり残念だとは思う。もし採用されていれば、“彼”と同じ戦場に立つ事が出来たのだ。俺の所属する独立傭兵部隊のヴェルカ隊長と同じ戦場に。
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