第1章 新たな生活

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「ふふっ、ここの管理人さんは想像してた人とだいぶ違ったでしょ?」 秋桜荘の廊下を歩いていると笠原さんが尋ねてきた。 「まぁ…かなりね。普通アパートの管理人って言ったらもっとルールとか説明してきそうなもんだけど…」 竹井さんは明るくて楽しそうな人という印象を持ったが…きっとめんどくさがりな一面があるのだろうな。僕の部屋もテキトーに決めたくらいだし。 「けど、竹井さんの言ってた事間違いじゃないんですよ。ここは特に厳しいルールみたいなのも無く、みんな本当に親しくて…あ、上原さん。あなたは今日から一人暮らしが始まるんですか?」 「ん? まぁ…そうだけど…」 随分とおかしな質問だと僕は思った。 「けど、それ実は間違いなんですよ」 笠原さんはクスッと可愛く笑った。
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