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そこから赤い物が床に滴り落ちた。
ねずみが2匹近よって来て、それを舐める。
突然狂ったように牙を向き戦い始めるねずみ。
どこからか、ジーと言う、何かを回す音が聞こえてくる。
「預かってたビデオの事だけど、あれは、一刻も早く封印した方が、いいと思う。
封印出来る人を紹介してあげるから」
家に帰るなり、霊能者の女性から、いきなり電話が、かかって来た。
明日に、してくれと、言ったが、ひつこく来るように言われた。
面倒だったが、頼む立場でも、あるから、俺は、霊能者の家にむかった。
「内容と相手は、ここに、書いてあるから、一刻もはやく、」
俺が訪問するなり,霊能者は、血相を変えて転がり出るように玄関に出てきた。
彼女は、ひる間とは、うって代わっていた。
何か、ひどく怯えて、切羽つまったような感じがした。
「あの、話が見えないんですけど、それに一応Bに聞いてみないと(後で何言われるかわかった物じゃない)」
「Bさんは、いったい何をしてるんだね。
」
彼女は、えらくいらだっていた。
「あいつは、ああみえても、雑誌社で編集やってるもんですから、この時間は原稿どりやら作家の接待やらで、なかなか抜け出せないんですよ」
その時、突然ケータイがなった。
Bからだった。
「すまん、Hさんの電話メモを忘れてきたんでな
お前は、もうついたのか?」
「ああ、それで、ちょっと相談なんだが」
霊能者が口を挟んできた。
「相手はBさん」
「はい」
「ちょっと、それ貸して」
彼女は俺から電話を奪い取った。
そして、いきなりBを怒鳴りつけた。
「ちょっとBさん、なに、やってんのよ」
「あっ、すいません今大急ぎで、そちらへ向かっております」
「こっちは、あんた達のために、やってるんだからね
えっ代わるの?」
Hは俺に、つっけんどんに電話を返した。
「実は、ちょっと相談したい事がある
お前の分も、わたされたんだが」
「じゃあ、悪いけど預かっといてくれよ」
「いいのか?」
「おかしな奴だな、いくら対立してるからって俺はお前を信じてるよ、じゃあな」
Bは電話を切った。
Bは、さっきから渋滞に巻きこまれていた。
突然コールが、またなった。
編集長からだった。
「おいBくん、先方と連絡とれたのか?」
「キャップすいません、まだです」
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