英美

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何かすれば出てくるか 例えば火を着けるとか 何をバカな事言ってるんだ俺は それにしても英美も、もっと目立つところにたっといてくれないかな もっとも英美も用心してるんだろう その時マナーに着信があった。 番号は坂東だった。 俺は無視した。 どうせお前に渡すんだ 今日ぐらい俺を感傷に浸らしてくれ しかし坂東は通信を止めなかった。 俺はめんどくさくなり電話を取った 「俺だ、何のようだ」 「お前今どこにいる」 いきなり言われた俺は返事に困った。 英美の病院にいる理由を簡単に説明するのは難しい それに今の坂東は、まともじゃない。 嘘をつくべきか、仕方ない 「休日なんで、一人で街を歩いてる」 「そうか」 坂東は、そう言うと一度電話を切った。 電話を切ってから俺は思った 坂東は何故俺ねの所在を尋ねた その頃坂東は病院の駐車場にある俺の車を見ていた。 再び坂東から送信があった。 俺は躊躇したが、それを取った。 「荒木、君に相談がある」 「なんだ?」 俺は英美の事が気にかかったが坂東をむげにも出来なかった 「俺は英美をお前に譲ろうと思う」 俺は衝撃を受けた 「なんだって、どうしてだ?」 「あの時、英美はお前の血で助かった。 俺は何もしてやれなかった お前がいなければ英美の今はない お前こそ英美にふさわしい 守ってやれると思ったのに守ってやれなかった 俺は思った そうか番頭はずーっとその事を悩んでいたんだ。 真面目な板東らしい 。 板東の気持を考えると俺は心がいたんだ。 「何を言うんだ板東、英美はお前の事を命をかけて助けようとしたんだぞ」 「だからこそ、辛いんだ、俺は何もしてやれなかった」 「それはお前のせいじゃない、たんに巡り合わせが悪かっただけだ お前ではなく運命が決めた事だ」 「それなら運はお前の味方だ」 「敵味方なんてない」 「いやある、お前は親友だが、この事については敵だ 俺は破れたんだ」 「何言ってるんだ 君は愛されてるんだ」 「彼女が誰を愛そうが関係ない、大事なのは彼女の愛に答えられるかどうかだ 俺には愛される資格はない 守れなかったんだ」 今気がついた。 俺と坂東は人の愛し方がちがう 俺は愛される事に価値を感じる しかし坂東は愛する事に価値を感じている 俺は愛されなかった事に対して絶望して
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