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「なに、やってるんだ。 もう、結構時間が押してきてるだろうに」 「すいません、何しろ先方が所在不明で」 「まあ、放浪癖のある人だからな」 「何度か失踪の噂が、ありましたよね」 「だから最近はメディアも騒がなくなったんだ。 だが今回は奴のコメントが、どうしても必要だ。 引き続きはりついとけ」 「了解しました」 「ところで、もうひとつ、お前今日の編集会議途中退席したってじゃないか」 「すいません」 「女か?」 「いえ、ちょっと親戚に」 「お前、今日の編集会議はオンデマンド(必要最低数を印刷する製造システム)についてだぞ 女も大事だろうが」 「だから女じゃねえって」 「なんだ、そのいい方は?」 「すいません、つい。必ず、埋め合わせいたします。 今日のところは」 「まあ、帰っちゃった物は、しょうがないな。 今日は、いいから、頼むぞ」 「わかりました。」 「じゃあ、急いでね」 「あの、何処へ行けば」 「だから、書いてあるって」 「しかし」 「高野山系の厳岳寺って寺よ 」 「こ、高野山」 「それもロープウェイで行けるほうじゃないのよ 車すっ飛ばして新幹線乗っても暗くなるから気をつけて山道登りな」 「明日じゃ、まずいんでしょうか」 「向こうは一日中大門あげてまってるんだ」 「しかし、あそこは、夜歩くのは危険じゃあないですか」 「あのね、危ないとか危なくないとか、そんな事言ってる余裕ないんだよ、 一刻も早く封印しないと、とんでもない事になるんだよ」 「いったい、これは、なんなんですか?」 「確証は、ないけど、これは魔」 霊能者の顔色が、変わった。 「来た」 「私は、さっきから、これに狙われている。」 「な、なんですか」 「わからないよ、ただ強力な悪想念だ。」 ジーと言う何かを回す音が聞こえて来た。 「ちょっと私から離れて」 霊能者は俺から離れると真言を唱え始めた。 「おんべいしゃの、まかほんどま、 おんべいしゃのうまかほんどま」 やがて音は聞こえなくなった。 「なんとか追い払ったよ」 「誰に狙われているんですか?」 「誰? あんたまだわかってないようだね」 「あの音は、いったいなんなんですか?」 「それが、わかりゃあ苦労しないわよ」 突然霊能者の顔色が変わった。 またジーと言う音が聞こえてくる。
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