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その造りは、まるで石垣のようだった。
日本の寺院の塀は木の塀だから、それは異端も、 いいところだった。
そう、その様は、まるで砦か城か要塞のようである。
なんのために…・
歴史に疎い俺でも、何となく、この寺の意味がわかって来たような気がする。
その事から察すると洞窟の通路も、おのずと意味を理解出来た。
おそらくBは俺以上に、この寺の持つ意味に気づいているだろう
そう言えば、国家鎮護の最後の砦とは、どうゆう意味なんだろう
この事だけでもBに聞いてみるか?
「おい」
「国家鎮護の最後の砦と言うのは、俺にも、はっきりした意味は、わからん」
「な、なんで」
「お前と俺は考え方が似てるからな
わからんが、このものものしい寺の造りは何者の襲撃に備えた物か何となくわかる。」
「誰だ、あいつか?」
「あいつ以外に誰が、いるんだ?」
「確かに真言宗と言えば日本を代表する宗教 権威だ」
「こんなもんに逆らおうとするのは、日本の歴史上たった二人だ
一人はバサラ大名と言われた佐々木道誉そして、もう一人は」
「みずからを魔王と呼んだ、あの男か」
そんな話をしている内に石塀の一部が空き中から一人の僧侶らしい男が現れた。
手に先の長い懐中電灯を持ち、こちらへ向かって来いと言う、その姿は、どう欲目に見ても道路工事の交通誘導のおっさんにしか見えなかった。
以外と言うかなんと言うか寺の中には洋間があった。
応接室の深いソファーに腰をおろしていると、中年の小男が、やって来た。
そしてなんと名刺を渡した。
「いや~大変ですな
お疲れでっしゃろ」
「はっはあ」
「わてが、この家のあるじ崇鴛だす
以後おみしりくださんせ」
かっ軽い
「松明には、驚きましたやろな」
「われわれを迎えてくれたんですか?」
「それもありますやろけど、あそこらへん、狼がでますねん
ディナーになっても、困りますやろ」
「お、狼が~」
「熊だってでますえ~なめたらあかんで~」
かっ軽い
「ところで、この寺のものものしい造り疑問に思いましたやろ
これは信長公の襲撃に備えたものですねん」
「あの~国家鎮護の最後の砦とは」
「よ~聞いてくだはりました
時は天正10年、武田を滅ぼした信長公は、その爪先を、あろう事か帝に密かに伸ばしていましたんや
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