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対して一心に経を唱える崇鴛住職の後ろ姿は神聖で荘厳で至高でさえあった。 しかし、こちらのムードを例によってご当人がぶっこわした。 「おいでやす ようきんしゃった さっこっちゃこっちや(手招きする) 俺達はムードをぶち壊されて苦虫を噛みながら住職の前に座った 「あれなあ、ようしらべたんやけど、呪いその物は感じませんのや どないなってまんねん?」 「どないなってまんねんって? なあ」 俺はBに促した。 「なんにも、無いんですか?」 「いや、魔界の波動みたいな物は感じるんやが、それだけで人に危害を加えるかどうかは」 「しかし現にHさんは、」 「それは、別の存在や 」 住職の目付きが、がらっと変わった。 「きよったで、ご苦労さんなこっちゃ ちっと、わしからはなれた方がええで」 俺達は、崇鴛住職から離れた。 住職は目を瞑り智拳印でなにやら小声で経を唱えた。 「ええか 何が起きても、くそ、小便たらす事になっても、そこ離れたらあかんで もし離れたら命の保証は、せえへんよ」 俺達は緊張した。 あの嫌なジーと言う音が耳をついた。 初めて聞くBは怯えて言った 「なんだ、この音は?」「ほう、視線が近づいて来たり、遠のいたり、初めての経験や 初体験や 優しくしてんか うち、デリケートやねん♪」 いきなり、辺りを不思議な重苦しさが、覆った 床の方からモワーッとした煙のような物が、わきでて来て俺達の周りにたちこめた。 その煙の中には苦悶する無数の人々がいて、こちらに助けを求めて手を伸ばしていた、。 俺は恐ろしくなり立ち上がろうとした。 Bが、それを止めてくれた。 「たっちゃだめだ」 住職が、それに、気がついてくれた。 「臨 兵 闘」 住職が九字を切ると俺達にまとわりつこうとした亡者は床にすいこまれるよう消えて行った。 しかし、このために住職に隙が生まれた。 その隙を見逃さず亡者が住職の体を空中に浮かした。 住職の体は両腕を亡者に捕まれて印を結べなかった。 あの時と同じだ、またあの悲惨な物をみなけりゃならないのか? 俺は自分に迫ってる危険よりも、そちらの方が気になった。 Bの方をみると、目を瞑り必死に祈っていた。 心配になり住職をみると亡者に両腕を捕まれてながら住職が頭から落ちて行くのが見えた。 もう見てられない 日本有数の呪術者も、かなわな
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