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住職は、そのまま封印行に入った。 不動明王印と呼ばれる人差し指と人差し指を、くっつける忍者のドロンする時の印を結び、一新に真言を唱える。 「ノウマク サラバタタ ギャテイビャク サラバボッケイビャク サラバタタ ラタセンダ マーカロシャダ」 すると、台の上に置かれていたビデオテープの廻りにドーナツ状の光の輪がなんそうにもわたり重なって現れた。 住職は、それを確認するとこちらに振り向いた。 「これで大丈夫だす 安心しなはれ、これは、もう少し力を弱めた後で、わしの方で処分します 「有難うございます大僧正閣下」 「なんや、態度が急に変わりよった」 「しかし、あれだけの法力を見せられたら」 「あんなもん、なんの役にも たたんで、それにわしは、大僧正やない そんなん座主(真言密教の最高指導者)が聞いてみ、わしが怒られる」 「ああしかし、あんな凄い物を見せられては ところで、あいつ滅びたんですか?」 「いや、あんなもんじゃむりやろ それに、あれは実体とはちがうんや」 「えっ実体と違うんですか? じゃあ、実体はどこに」 「わからん」 「わからんて」 「呪うなんて、だいたい、どこぞの遠方から呪うもんや 思念だけが、こっちに来てるもんや、 それに呪いは単純な物じゃない 傀儡呪いと言って術を掛けて全くの第3者に呪わす方法もあるんや 今までの歴史の中で行われた呪殺や呪いが本当に言われてる人間によって、なされたかどうかは、はっきり言えんのや だから呪詛返しは原則禁じ手に、なってるんや 安倍晴明が呪詛返しをした時も式鬼つこうて下調べしてたらしい」 「しかし相手が、わからないんじゃお願いした意味が」 住職の顔が一度に不機嫌に、なった。 「すると何かい、わしが手抜きしとると言うんかい?」 「いえ、ただ」 「ただなんや じゃあ聞くが、家に強盗が入ったとする うまく撃退したとしよう、 そしたら、その強盗の出身地、出身校、借金の額までわかるんやな、」 「そんな無茶な」 「なにが無茶や、そうゆう事やろ」 「いや、もし、相手が滅びていないなら、我々は警戒を続けなければならない」 「あほかい おんどれらに、どうゆう警戒が出来るっちゅうんじゃい 窓辺に十字架やニンニクぶらさげるぐらいが関の山やろ」 「いや、そうですが」 「あーじゃかあしいわい
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