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グランドフィナーレぐらい」
「ぐ、グランドフィナーレ」
「いや、前は、値段が今ほどじゃないから、せいぜいフレンチカンカン」
「ふっフレンチカンカン
もう、お前とは口きかねえ
育った環境が違いすぎる」
「おんなじような育ちのはずたが」
「しかし、俺は、そんな贅沢な遊びは、した事ない」
「根に持つんだな」
「ああ根に持つよ
悪いか悪いか悪いか?」
「そこまで、俺を嫌うのか?」
「あー嫌いだ
今日ので余計嫌いになった」
「殺したいほど嫌いか」
「もちろん、えっ、お前なにいいだすんだ急に」
「もとの話に戻るぞ
カブトやクワガタが戦うのは縄張り意識からだそうだ」
「そうなのか?
それで、ゴキブリは戦わなかったんだ
縄張り意識がないから」
「お前、まさか?」
「わっ悪いか、完全な都会っ子の俺だってな、虫の一匹や二匹戦わしてみたいんだ」
「まあ、いいや、でどうなった」
「ゴキブリの奴には、縄張り意識が、ないらしい」
「そりゃ自由主義だからな奴等」
「いくらけしかけても、ボール紙の土俵の上をシャカシャカ動き回るだけで、あっ見失ったと思ったら、隣の部屋から妹の悲鳴が聞こえて来た」
「パニック映画だな」
「妹が、お袋に告げ口して、怒ったお袋が乗り込んで来て」
「没収されたか?」
「いや、部屋に入ってくるなり、ひっくり返って気絶した」
「また、なんで?」
「ガラスケース2つに、ゴキブリ30匹、ナメクジ20匹ガサガサヌメヌメ」
「そりゃ、気絶するわな、
苦労して来たんだな
ところで、話元へ戻していいか?」
「いや、まだだ、まだお前は田舎を持たない都会っ子の悲哀を理解してない
もうひとつ話をする
俺はガキの頃オオクワガタを買った。
お年玉を結構使って」
「いくらだった?」
「聞いてくれるな、思い出したくもない
とにかく俺は強力なクワガタを手に入れたオレは満足だった
しかし、
俺は気がついた。
こんな高い物を戦わすなんて、ありえない事を
戦えない最強に、何の意味があるのか?」
「ミスコンに出ないナイスバディと一緒だな」
「俺は自分のバカさかげんに落ち込んだ
やがてオオクワガタを見るのも嫌になり、管理がずさんになった、ある朝入って来たスズメバチと、あい討ちで死んでいた
お~お~お~
お前に、この都会っ子の悲哀は、わかるまい
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