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あいつは、俺たちを競わせ戦わせる事を楽しんでる。 それが、わかった時俺は、あいつと切れようとした。 ところが、アイツと別れると考えるだけで、心にぽっかり穴があいたようで あいつを、もうだけないと思うと体が何か底の方から冷えてくるようで くやしいが、あいつの鎖に、つながれちまった。」 「あんな死にもの狂いのケンカをしたのは、思うようにならない自分に対する苛立ちだったのかもしれん」 「あいつが分けてくれなきゃ、お互い腕の一本あしの一本なかったかもしれない 今でも鉄パイプで殴られた所が、痛むが、それは友情の痛みとして感謝しなきゃならないな」 「あんな目に、あったのに、その後も、ずーっといがみあってる 学ばない人間だよな俺達は」 「ほんとだな」 「昔クワガタとカブトを戦わせた時死ぬ寸前のクワガタと目があった事がある。 一瞬だった、目を合わせたと思ったのは、俺だけで必死に戦ってるクワガタには、そんな気持は、なかったのかもしれない。 そいつは、その後すぐ死んだが死んでも挟みを離さなくてな 俺は、その後急にむなしくなって、虫をたたかわすのを止めた。 なあ、俺達人間は成長するまでに、随分酷い事をしてくるよな 親に対しても、老人に対しても、ちょっと色気づきゃ異性に対しても こいつは、どっちもどっちだが(笑) それに小動物 そして昆虫 俺達みたいに戦わせる事だけじゃなく それこそ虫も殺さないような学者肌の奴が平気で薬で虫を殺し、ボール紙に貼りつける。 それなら、まだいいが学校が夏休みの課題で強制しやがる 救いようが、ない。 しかし、ただひとつ救いがあるとすれば、俺達は、それから何かを学ぶ 知識じゃない、何かを学ぶんだ。 それは俺達人間だけが考えてる勝手な理由かもしれない 考えてみれば都合のいい話だ 俺達を成長するために命がけで戦えなんて しかしなあ、もし、そんな勝手な理由を神が許してくれるなら、あいつらに償いが出来る方法は、ただひとつの方法は俺達が何かを学ぶ事だけだ 何も学べないなら、俺達は虫けらいかだ。 そうだろ? 違うか?」 「ああ」 「最近、俺は、あの時のアイツの目を、思い出すんだ。 やたらにな アイツは、何故こんな、酷い事をするんだ。 こんな酷い事をしたのに、まだお前は、学ばないのかって 悲しい目で、語りかけて来るんだ。」
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