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「虫けらに義理だてて男のプライドを捨てるつもりか? お前」 「俺達のくだらないプライドなんて虫けらの命より、ずっと軽い。 俺達が、それにきがついていないだけだ」 「よく言った。 お前の気持は、わかった。 俺も重くなりすぎた鎧を脱ぐ。 悔しいが、あの性悪の前で二人してまな板の鯉に、なろうじゃないか」 「じゃあ終戦だな」 「終戦はケリが、ついた時だ。 とりあえず休戦だ。」 「決まった。1週間しかもたなくても休戦は休戦だ」 「じゃあ休戦を祝って」 「飲むか?」 「疲れてるから寝る」 いきなり奴のイビキが聞こえてきた。 俺の目が光った。 もちろん、奴の言うような電灯の加減では、ない事は、何よりも俺が知っている。 久しぶりに、ぐっすりねむれそうだ。 俺は久しぶりに、いい寝つきで眠る事が出来た。 だが 寝起きは最悪だった。 まどろみの中で俺はテンジクへの山を登っていた。 「めざすは、ダイライオンジ、あー、ここまでくるのに、どれほどの犠牲を払ったか お師匠様は老衰で死にハッカイは、ナンパで気が緩んでるところを北の工作員に拉致されミートホープに売り飛ばされ、やっぱり売り飛ばされた牛魔王と合いびきで各家庭の食卓に登ってるだろう アイツの事だ、屠殺される時は、こう言っただろう。 (いま死ぬって言ってんの殺すんだものな~) 最後まで、くっついて来た沙悟浄も、皿の水が乾いてミイラに、なっちまった。 水を持って来てやりたくても十万8000里をひとっとびするキントンウンは3000年ごとの車検に入り100年間のメンテ中 結局あいつの長い人生の苦労と借金の苦労は皿の水の最後の一滴と共に消えたわけだ。 もっとも皿に水を浸してやれば蘇るシーモンキーみたいな奴だが ちなみに天馬は、ここへ来るまでに餓死しそうになったお師匠さんに身を捧げた。 おい、そりゃ逆だろうと抗議した俺に対してお師匠さまは、いきなり立ちあがり、こう言った。 「なめたら、なめたらあかんぜよ」 小便ちびった。 おーそんな事言ってるうちに、雲海の間を随分登ってきたな、 ♪思えば遠くへ来たもんだとくらあ おー遂に着いたぞ、これが、ダイライオンジか 荘厳だ、偉大だ」 俺は巨大な門の前にたった。 「たのも~」 「ど~れ」 巨大な門が開いた。 中には巨大な柱が林立するホールがあり、一番向こうに見えるどん
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