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ベッドの下に500円や1000円転がりこんだって、わりが、合うもんじゃないだろう」
「じゃあ、あいつは、どうゆうつもりなんだ?」
電話がかかって来た。
「えっ?」
住職の執務室である館長室は、嫌に、なる程洋風に、作られていた。
バロック式の家具、木目を生かした壁、極めつけは、天井の豪華なシャンデリア。
和風の物は掛軸一本なかった。
それだけなら、まだしも、ベートーベンの第九歓喜の歌まで、かけてる始末で、日本の寺社は完全な独立運営と一種の上納で、なりたっていると聞くから問題が生じない限り本山と言えども寺社の運営には顔を突っ込めない。
それを、良いことに、いろんな面で好き放題にやってる寺社が多いと言うが(多少問題が起きても、檀家総代と寺がわとの話し合いで解決し総本山は事後報告のみを受ける)まさか部屋一つが完全な西洋風とは、思ってないだろう。
俺達が行くと住職は、は背中を向けていたが、確りと、こちらを向いた。
首だけ回すと言う事は、なかった。
しかし、こんど体が、こちらを向いても首が、ついて来なかった。
こんどはかろうじて気絶だけは、しないで、すんだ。
「和歌山県警が動いてるって本当ですか?」
「九度山町の駐在が下にでばって聞き込みに来ておる
橋本署も検問に、とりかかってるらしい
今権律師(僧侶の位の一つ)が抑えてるが、お前ら、何をやったんや?」
「何やったと言われても、なあ」
俺はBに、相槌を求めた。
「いや、もしかしたら」
「えっ」
住職は新聞を目の前に投げた。
「これやろ」
そこには、〈霊能力者謎の自殺
現場から失踪した男〉
と言う見出しが、あった。
「( ̄□ ̄;)!!ひえ~
現場から失踪した男ってまさか?
Bを含めた5本の人差し指が、一斉に俺を指した。
住職がBに言った。
「暢気にしとるけど、こんなが有罪やったら、あんたも逃亡幇助やで」
「え(@_@;)
こんな奴知りません
今はじめて会いました。
誰お前」
「💢貴様~」
「まだ現実が、わかっとらんようやな」
住職は岸部四郎人形の首を回した。
「首まわるんだ」と俺達は顔を見合わせた。
モニターが、現れた。
中の映像は警察官と僧侶のやり取りだった。
「俺、自首しますよ、逃げ回ってると、犯人にされかねない」
「そうだな、真実をはなせば、わかってくれるだろ」
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