ビデオ

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突然の事に脳味噌が理解するまで時間が、かかった。 突然電源が切れるのは経験があるが突然電源が入るなんて聞いた事がない。 しかし、だからと言って不可思議な現象とは、考えなかった。 電気製品は、考えられない事が、よく起こるからだ。 予備電力みたいな物が作動したのかもしれないし 何れにしてもGに断りをいれなければ 俺は急いで電話を、かけた。 「そりゃ、わざわざ、すまなかったな、それでもビデオの調子は誰かに見てもらった方がいいな そう言や、Bの奴も用がすんだからと、掛けてきたぞ、」 「そ、そんな事も、ありえるだろう じゃあ」 俺は受話器を置いた。 Gには、話さなかったがBも俺と同じように電源が入ってビデオを、吐き出したんだろうか? これも、偶然と言うのか? いくら、暢気な俺でも、これが、あり得る確率は、もうほとんど考えられない事が、わかった。 全く、独立した事がらが同時におこる確率は、一つ増えるごとに、飛躍的に低くなる。 例えばサイコロが、一つの目を出す確率は6分の1だが、ゾロ目となると一度に36分の1となる。 この理屈からだと可能性は考えられない程低い。 いや、待てよ、可能性は低いが、ひとつ、ひとつは不可能な事では、ない。 奇跡とかと考えるのは、早すぎないか? なんとなく中途半端な気持で不安と苛立ちが混じっていた。 とにかく頭を整理してみよう。 奇跡とか、ありえないとかの話を無視して考えてみると、ある推論が、浮かんで来た。 それは、同じ不安をBも、 抱えているのでは、ないかと言う事である。 これはBの嫌がらせでは、ない。 恐らく別の何者かの? こう言う推論が、なりたつ、俺とBに対し悪意をもってる奴がいる。 そいつが嫌がらせで二人にビデオを送ってきた。 あとは偶然が重なっただけなのだ。 急にBと話たくなった。 この特異な出来事の不安が、そうさせるのかも知れない。 それに、異性問題で対立しているが、もともとは、気心の知れた親友同士なのだ。 同じ悩みを、抱えてるはずだから、腹を割って話合えるかも知れないし、これを機会に関係が少しは雪解けムードに成るかも知れない。 俺は、少し心が、踊るような気持に、なった。 Bと話し合うについて電話じゃ距離感があるので、あって話す事にしようと俺は決めた。 抜き打ち訪問すれば、奴も応じるに違いない。
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