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「とにかく、こうなったら、なんとかやり過ごすしかないだろう
そうと決まったら指名手配される前に出頭しちゃおうや、」
「出頭って、ここ京都だぞ」
「それが、どうした」
Bは車から顔を出して通りを歩いてる女性に尋ねた。
「すいません、ここ何処ですか?」
「夢川町どすえ」
「えっ」
「嘘どす
おまへんえ
先斗町どす」
「警察署へ行きたいんですけど」
「どこどす」
「どこでも一番近いところで」
「それ言うたら
五条警察署どすな
それなら
この道をあーいってこーいて
ああいきます
それからこーいって、あーいったら警察署の前の道へでますえ」
「へえ、こういって
あーいったら四条どうりどす
そこをこういってああいってこういったら五条警察署の前の通りへ出ますえ」
「あーおおきに」
「ほな、さいなら」
「いや~京都の女性は、いいな」
「て言うか、お前何回道聞くんだ
迷子になった修学旅行生じゃありまいし
サダオか?」
「どっちかって言うとヒロシじゃねえかな
タイプとしては」
「ずーずーしい
E美に言うぞ」
「お前こそ
結構鼻の下伸ばしてたじゃないか?
こっちこそE美に言うぞ」
「お互い」
「黙ってよう
それが平和のためだ」
「しかし、二股かけられてる俺達がなんで浮気できないんだ」
「それを言うな
それを情けない気持になるから」
「よくぞ男にうまれけりじゃないな俺達」
「車だすぞ」
で
五条警察署である
(フィクションです
念のため)
刑事課の係官が
「どなたかのご紹介?」
「はっ、あの事情を説明するため出頭してきたんですけど」
「そんなのは、どうだってよろしいおすねん
うちとこは真犯人でもお馴染みさんの紹介ないて自首受け付けまへん
まあ、文句があるなら他の署行っておくれやす
俺達は狐に摘ままれたように刑事課を出た
そこででかい注意書きを見た。
お初の方へ
京都の交番は、お馴染みさんの紹介無ければ道教えません
京都の警察署はお馴染みさんの紹介無ければ自首受け付けません
京都の検察庁はお馴染みさんの紹介無ければ立検しません
京都の裁判所はお馴染みさんの紹介無ければ判決書きません
京都の消防署はお馴染みさんの紹介無ければ消火しません
ご了解下さい
「自首する時や火事の時のお馴染みさんって?」
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