宿命

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「信じられない、真っ昼間にお子様達の多くいる場所でキスなど、恥知らずな事をしおって、 俺にもしろ」 「お前言う事めちゃくちゃ矛盾してるだろう こらE美も乗り気に、なるんじゃねえよ」 「だって、あなたキスしてくれって言わなかったじゃない わたしはお好みの女なの」 E美は、なおも唇を近づけた。 俺は周りの家族連れの目を気にして二人を服で隠そうと、焦った。 「ハハハ冗談だよ 俺だって未来のある子供達を、この時期から色ボケには、させたくない 本当に、何もなかったかどうかはめただけだ お前の慌てぶりでわかったよ」 「貴様俺をはめたのか?」 「すまんすまん、わるぎはない あーE美助けてくれ BはE美の陰に隠れた。 その後俺達は子犬のようにE美の周りを追っかけっこした。 E美は突然俺達の手を取った。 びっくりした俺達の手をE美は近づけた。 俺達は少しあがらったが、それでもE美の気分を害する気持には、とてもなれず、その誘導に従った。 「さあ、握手握手」 「なんで、こいつなんかと」 「それは、こっちの言うセリフ」 その態度を見たE美は少し泣きそうな顔をした。 俺たちは急にE美に済まないと言う気持が起きて、すごすご両方から手を伸ばした。 俺たちは目をそらした状態で少し照れて握手した。 E美は、さも満足で、あるように、ニコニコ笑った。 こんなのも悪くないなと思った自分が情けないとも思ったが不思議と満更な気分では、なかった。 だが、その心の奥でE美の本当の愛は俺達の方には向いてないんじゃないかと言う気持が頭をもたげて来た。 本当の愛は、あの監督の方に 一度も抱いてもらってないだろう、あの監督の方に向いてるんじゃないだろうか? E美に、とっては俺達は、ただ寂しさをまぎらわすためだけの道具。 Bも同じ気持なのだろうか? 時々見せるBの眼差しが、その寂しさを語っているのでは、ないだろうか? 俺達の愛は形が整えば整う程空虚になっていくような気がする。 このままE美は、どちらかの妻に、なってくれるのだろうか? 妻に出来た方は、幸せなんだろうか? 考えれば、考えるほど不安になる。 こうゆう危険な恋愛は、この不安にはまっていくのかもしれない 恋はするんじゃなく落ちると言った人がいる 堕ちる もしかしたら墜ちるのか いずれにしても人格を成長させるものではないな、退化させるものだろう
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