宿命

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俺はばつも悪いので一刻も早くE美を、おちつかせてやりたくて、別れ道をむしろ率先して歩いた。 しかし、このまま、道が、別れて別の方へむかったら、どうしよう もっとも子供じゃないんだから、そんな事まで心配する必要は、ないだろう 俺は、そんな事を考えながら道をすすんだ。 道を早く進む事だけに、気をとられ、まさかの事は考えなかった。 その甘さが、とんでもない事に、つながっていた。 つながってたのは道も、そうだった。 とんでもない再会になってしまったのだ (いくら、我慢出来なかったからって、もう少し物陰で、してくれよ) E美は泣きそうな顔をしてたが生理現象は止められないらしく、しばらく動かなかった。 俺達は、しばらくぼーとしてたが、はっときがつきE美から隠れるように離れた。 しばらくして、おそるおそる戻ると、そこにはE美は、いなかった。 俺達は、一気に力が抜け膝をついた。 順番にメールが入った。 俺達はメールをたしかめられなかった そこにはきっと(最低)とか(恥知らず)とか恨み事が書いてあるのだろう その中でも一番読みたくない文章(もう別れたい)と言う文章が書いてあるかも知れない。 俺達は、とてもメールを見る気に、なれなかった。 とにかく気をとり直すしかなかった。 そして、気を取り直して愕然とした。 彼女は金を持っていないのだ。 いくら、こちらにおんぶにだっこだって小銭ぐらい持っていりゃあいいのに金の入ったバックは、車の中に置いてあるのである。 これは、どうゆう事かと言うと彼女は車の前に行くしかないと言う事なのだ。 もちろんタクシーで自宅まで、と言う方法もあるが、彼女の私物が車の中にあるかぎり、それは意味がなかった。 俺達はE美と会わなきゃならないのは、現実のようだった。 しかし俺達は考えた。 いくら、E美に、あわなきゃならないとは言え、何も二人が、会う必要は、ないのだ。 E美とあって私物のバックを渡してやれば、いいんだから一人が会えば用は足りる。 本当なら、こういう時こそ、E美の近くで、支えてやらなきゃならないし、そうすれば、あきらかに、もう一人に差をつけられるのに俺達は、身勝手で少し幼いところがあった。 いいところは、取りたいが、厄介なところからは、逃げたいと それで命がけだとか言って張り合ってんだから暢気なものである。
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