宿命

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俺は、それに乗ってやる事にした。 いやと言うよりも俺もどこかの落ち所をさがしていた。 「おいおい人聞きの悪い事を言うなよ 俺が手が早いんじゃない 女が俺をほっとかない」 嫌味な、いい方だが、つっこみ所が多い方が会話はしやすい。」 「お前は年増に、もてるからな、よっこのマダムキラー」 「そうゆう、お前は若い子専門 にくいよ美少女キラー」 お互い根拠のない、場合によっては名誉棄損になりかねない事を言い合ったのは、俺達の目的が、この会話を上手く終息させる事に、あるからである。 触れたくない傷だ。 被害者にとっても、加害者にとっても、 そうゆう物が、あるのだ。 その恨みから離れ前向きに行こうとすれば、するほど、そこには、ふれたくない。 しかし、その傷は、ずーっと残っていくし、被害者加害者と言う立場も消えない。 被害者加害者なんかない、愛に順番はないと平気で言う人がいるが愛が人の営みである限り順番は存在する 順番やルールを守らなければ人は生きてはいけない。 しかしそれを何よりもわかってる俺が順番に割り込み先順位のやつと戦い続けている。 愛は人の価値観を隷属させる しかし一方で人は価値観を持ち続けるから苦しみ続ける。 いっその事価値観を、すべて相手に任せてしまえば、どんな楽な事か しかし楽になると言う事は自分の人格を失う事を意味する。 そういう激情も愛には必要なのかもしれない。 だが、おれは、それを拒否する。 何故なら一つの人格を持って彼女を受けいれ彼女に受け入れられたいからだ。 Bもきっと、そうだろうと思う。 しかし、Bは罪悪感がないだけましか? もっとも被害者は被害者として苦しんでるのだろう それにE美だって苦しんでる(見たところ、そうは、とてもみえないんだが、E美が本当にくるしんでるのは、F監督が彼女を女性として、ほとんど見てない事じゃないだろうか?だとすると俺達は、まったくのピエロである) おれは、それ以上考えれのをやめにした。 突然Bが、おかしな事をいいたした。 「どうだ、ジャンケンじゃなくて、あっち向いてホイで決めないか」 いきなり、やつの提案に驚いたが、考えてみると、あっち向いてホイの方がジャンケンより運の要素は少なくなる。 より勝負に近づく事になる。 おれは快諾した。 Bの目はジャンケンの時とは違っていた。
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