破滅のプロローグ

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「友達とは分け隔てなく平等に付き合いなさいと」 「いくら平等にて言ったって」 「今の子は、こんなもんよみんな(違うと思う)」 「しかし、イクラなんでも」 ナースルームから看護婦がとんで来た 「オペが始まります、お静かに」 一瞬で水を打ったように静かになった。 遠くで、がまガエルがないているのが聞こえた。 「先生がお話がありますご両親の方どうぞ」 両親は少し離れた部屋に呼ばれた。 あとに残されたのは、俺と、手術室の方をボーと見たり、こっちを睨んだり、急に頭を抱えたり壁に頭をぶつけたりマトモじゃないB(以後坂東)だった。 静寂な中で手術室の中の様子が防音してても耳に入って来た。 ハサミの音、ノコギリの音、何かをテーブルに置く音。 よくきくと専門用語も聞こえてきた。『ペアン』『ケリー』『せんのこ』『ドレーン』「あっこれじゃない何やってるんだ、しっかりしろ」はっきりとは聞き取れないが緊迫感は、良く伝わって来た。 しばらくたつと英美の父親が母親にかたをささえられて出てきた。 おそらく呼ばれるまでは詳しい事は聞いてなかったんだろう 父親の顔は真っ青になっていた。 それに比べると母親は動じていなかった。 どうやら英美は母親譲りの気性らしい 父親は迎えのソファーの壁に倒れ込むように座った。 母親はハンドバックから薬をだし、小さな水筒をあけふたに水をいれ父親に渡した。 どうやら英美の父親はあまり身体が丈夫じゃないらしい ただでさえ弱そうなのに娘の事で連続ショックだから、たまらないだろう 母親のケータイに着信があった。 「あっマネージャーさん」 母親はケータイを持ったまま建物の外へ出て行った。 マネージャーと今後を相談するのだろう、事故の事もケガの様子も容易く外へもらせない。 そんな事すれば来年までスケジュールが白くなってしまう。 状況をなるべく隠しスポンサーに動揺を与えず代役の手配、損害賠償の処理をしていかなければならない。 マネージャーは、てんてこ舞いだろう、すぐきたくても、こられない。 やがて母親は帰って来て夫に声を掛けた。 「マネージャーさんに、事情を話したわ 今メディアの人をおさえてくれてるらしいけど、そのうちちゃんとした記者会見をする必要があるんですって」 「そんな事は、どうだっていいだろ こんな時にマスコミなんて向こうは、どうゆう了見だ
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