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何かを掴んだ。
「すまんな。一時的に眠れ、我が世界よ」
それを世界から引き抜く。
それは紅い球体。紅い光が玉の中で揺れ動き、何かが蠢く禍々しくもあり、神々しくもある異質なものだった。
バキバキとクラウドの周囲の“世界”が割れ始めた。
「長い間世話を掛けた。俺の無理難題を叶えてくれる世界で良かった。今の俺にはもうほとんど力がない。本当にすまない。そして……ありがとう」
世界は完全に砕け散り、クラウドの周囲はラグジール大学病院の屋上へと変わる。
クラウドの世界『古の天地』は消滅した。
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